大型ボールの身体的効果に関する研究
−平衡性機能と姿勢保持のトレーニング効果に着目して−

Study of Effect of Large-sized ball on Human Body
– Shedding light on the effect of training on balance function and posture retention–

鞠子 佳香(女子栄養大学)
ymariko@eiyo.ac.jp
金子 嘉徳(女子栄養大学)
長谷川千里(女子栄養大学)

Yoshika Mariko (Kagawa Nutrition University)
Yoshinori Kaneko (Kagawa Nutrition University)
Chisato Hasegawa (Kagawa Nutrition University)

    

[Abstract]

   In this study, the subjects were female university students, who were asked to perform exercise using Large-sized balls. Their balance function in standing posture and seated position on the ball, and their posture retention in standing posture were observed. The object is to inspect an immediate effect, an effect after a certain period, and the sustention of the effect of the training.
   5 female students of J-University were asked to carry out 10 times of training using Large-sized balls, and the changes in the following quantities were measured before the training, after the first training, after the 10-th training and 3 weeks after the completion of the training; 1) difference in body weight partition, 2) fluctuation of the center of mass, 3) time of sitting balance retention on a Large-sized ball, 4) distance of waist-traversing during sitting balance on a Large-sized ball, 5) and standing posture. As a result, an immediate effect was observed in the change in standing posture: the tendency of round back was improved. The effect after a certain period was observed in the change in standing posture: the tendency of round back was also improved. The retention time of sitting balance on a Large-sized ball increased, the distance of waist-traversing during sitting balance decreased, which suggests that the trainee learned the way of keeping balance on an unstable ball by fixing the position of the waist. The sustention of training effect was observed in the change in standing posture, retention time of sitting balance in seated position on a ball, and distance of waist-traversing. The sustention of the effect of training was suggested in posture retention in standing posture and learning of sitting balance on a ball.

Key words : Large-sized ball, posture, balancing function, training effect

 

T.緒言

 今日の急速な高齢化や生活習慣の変化により健康寿命の延伸と生活の質の向上が大きな課題となっている。これらの課題に対して厚生労働省は、国民が主体的に取り組める健康づくり運動として平成12年に「健康日本21」を策定した。最終評価では、9分野(栄養・食生活、身体活動・運動、休養・こころの健康づくり、たばこ、アルコール、歯の健康、糖尿病、循環器病、がん)80項目の目標のうち、全体の6割にあたる35項目については「A 目標値に達した」と「B 目標値に達していないが改善傾向にある」といった内容が見られた中、身体活動・運動関連項目については運動習慣の継続性にむけた環境支援の改善等が今後の課題であり、 健康づくりの運動について多方面にわたる支援が重要であることが報告さ れている(厚生労働省,2011)。運動習慣の継続に向けた環境支援としては、施設や制度といったハード面の整備と併せて、対象者がニーズに応じた運動を実施することで効果が期待できるとともに運動プログラムに魅力を感じるような具体的方法論が多く提示されることが望まれる。
 人が乗って様々な運動を行うことができる大型ボールは、各種体力づくりや機能改善といった様々なニーズに対応できる健康づくりの運動用具として、現在多くのフィットネスクラブやトレーニング施設において実施されている。大型ボールの普及に向けた現状としては、子どもから高齢者まで、幅広い世代を対象とした運動プログラムの考案や指導者養成が展開されている。そのために 、大型ボールを用いたトレーニングによる身体的効果についての検証が求められている。
 大型ボールを用いた運動の効果についてはいくつかの先行研究が報告されている。長谷川ら(2006)は児童を対象に大型ボールを使用した座位バウンド運動が即時的に円背姿勢を改善する効果があることについて報告している。また扇谷ら(2008)は、成人男性にトレーニングを実施し、姿勢改善や平衡性機能向上に有効であることを報告している。健康づくりを目的として展開されているフィットネス産業の年代別利用者は19歳以上が約8割を占め、性別でみると約5割が女性利用者である(社団法人日本フィットネス産業協会,2004)。先行研究では、子どもや男性を対象にしたものが見られるが、 本研究では大型ボールの運動について、女子大学生を対象とし、初心者が実施しやすい「ボールに乗る」「ボールで弾む」といった運動をトレーニングに取り入れ、これらの運動によって期待できる平衡性機能及び姿勢改善についての身体的効果の検証を試みた。

U.研究目的

 本研究では、女子大学生を対象に大型ボールを使用した運動を実施し、立位及びボール座位上での平衡性機能と立位での姿勢保持に着目し、トレーニングの即時的効果、一定期間の効果、そしてトレーニング効果の持続性について検証を行うことを目的とした。

V.研究方法

1.対象者
 J女子大学生5名(平均年齢20.20±1.87歳)を対象とした(表1)。対象者の大型ボール運動経験については、初心者(運動経験なし、または5回未満)3名、初級者(運動経験が6〜10回程度)2名であった。研究に先立ち、研究の主旨及び内容、安全性について被験者に説明し、研究協力の同意を得た。尚、本研究は平成23年度香川栄養学園倫理委員会の承認を受け実施した (平成23年第158号)。

表1 被験者の年齢及び身長

2.用具
 大型ボールは、Ledraplastic社製GYMNIC(素材;塩化ビニール)の最大直径65、75cm を使用した。Gボール指導マニュアル(日本Gボール協会,2006)に基づき、各被験者にボールに座った姿勢で膝関節がおよそ直角に保たれるものを選択させた。

3.大型ボールを用いたトレーニング内容
 扇谷ら(2008)の研究を参考に大型ボールを使用した5種目の運動を1回15分程度のトレーニングとして構成し、DVDに収録した(図1)。運動実施内容や回数を一律にするため、被験者はDVDの内容を視聴しながら運動を実施することとし、2週間の実施期間に10回のトレーニングを実施した。
1)ボール座位片足バランス
 ボール上での座位姿勢から片側の上肢と、反対側下肢を前方に拳上する姿勢を保持し、左右各30秒間、3セット実施した。
2)ボール座位両足バランス
 ボール上での座位姿勢から両足を浮かせた状態で、60秒間保持する運動を3セット実施した。
3)ボール座位バウンディング
 ボール上での座位姿勢から60秒間の上下バウンディング運動を3セット実施した。
4)腰部回旋運動
 ボール上での座位姿勢から腰部を左右に回旋させる運動を各10往復、3セット実施した。
5)背部回旋運動
 ボール上に背部を乗せ、上体を左右に捻転させる運動を各10往復、3セット実施した。



図1 大型ボールトレーニング種目

4.実施期間
 本研究は、平成23年8月4日〜9月26日に実施した。
 測定は、トレーニング開始前(Pre)、大型ボールを使用した運動の即時的効果をみるために、第1回目のトレーニング終了後(First training;以下,FT)、一定期間のトレーニング効果をみるために、2週間のトレーニング実施期間(各自10回のトレーニング実施)後(Post)、トレーニング後に運動を継続しなくても効果が 持続するかをみるために、トレーニング終了3週間後(After training;以下,AT)に実施した(図2)。尚、トレーニング終了後から3週間、被験者には意図的にボールを使った運動を実施させずに測定を実施した。


図2 測定及び大型ボールトレーニング期間

5.測定項目
1)体重配分差の測定
 扇谷ら(2008)の研究を参考に、体重配分左右差についての測定を行った。2台のデジタル体重計(OMRON社製 HBF-352)の上に左右の足を乗せ、任意により均等荷重にした際の体重配分値を、デジタルカメラ(Canon社製EOS X50)のセルフタイマーにて10秒後に5連写で撮影した。値が常に変動することから得られた画像から左右の値の差を算出し、最も左右差があるものを値とした(図3)。


図3 体重配分差の測定

2)重心動揺の測定
 重心動揺計(アニマ社製 グラビコーダGS-7)を用いて開眼及び閉眼時の総軌跡長及び外周面積の測定を行った。プレート上に両腕を側方に下した直立閉足姿勢をとり、60秒間の静止姿勢を計測した。開眼時は前方2メートルの目線の高さにある目標物を注視し続ける条件とした。
3)大型ボール座位バランス持続時間の測定
 大型ボール上での座位バランス持続時間を測定した。両足を床から離し、両手は横にあげ、両手と足首より先がボールに触れないように指定をした状態で60秒間測定を行った。運動中の様子はデジタルビデオカメラ(SONY社製HDR-HC1)で撮影した。60秒中にバランスが持続して実施されている最大時間を値とした。
4)大型ボール座位バランス中の腰部移動距離の分析
 バランス動作時に身体とボールとの接地面である腰部の動きがどのように変化するかをみるためにバランス運動中の様子をデジタルビデオカメラで撮影した。レンズ高130cm、被写体との距離7mで被験者の左側方にデジタルビデオカメラを設置し(図4)、撮影した映像についてはコンピュータに取り込み、フレームディアスW(ディケイエイチ社製)を用いて動作解析を行った。両足が床に接地している状態では腰部の移動が見られないことから、両足が床面から離れており、トレーニング開始前から終了後を通じて全被験者が共通してバランス動作を実施できた 5秒間を解析対象とした。算出時間は60コマ/秒で腰部大転子をデジタイズポイントとした。実施前にデジタイズポイントに反射球を貼付し、ポイントのx及びy軸上の身体移動距離を算出した。


図4 動作分析撮影場面

5)立位姿勢の静止画分析
 両腕を側方に下した直立閉足姿勢を被験者の右側方からデジタルカメラ(Canon社製EOS X50)にて撮影した。垂直線検査法に基づき耳珠点からの鉛直線(L1)と背部最突出部の鉛直線(L2)との水平距離(Back-Ear-Distance;以下,BED)を算出し、立位姿勢の頭部前出と円背状態の指標とした(図5)。


図5 立位姿勢(BED)の静止画分析

6.統計処理
 分析にあたってはMicrosoft Excelを用いて単純集計を行い、各測定項目の値を平均値±標準偏差で示した。各測定間(即時的効果はPre−FT間、一定期間の効果はPre−Post間、トレーニング効果の持続性についてはPost−AT間)の値について対応のあるt-検定を行い、5%未満を有意水準とした。

W 結果及び考察

1.トレーニングの即時的効果について
 表2は大型ボールトレーニングの即時的効果について示したものである。 体重配分の左右差については、Preの4.06±2.79kgからFTの2.50±1.64kgに減少したが、有意な差は認められなかった。重心動揺軌跡長の開眼時ではPreの57.40±10.68cmからFTの56.10±6.53cm に減少した。また、閉眼時ではPreの69.60±9.76cm からFTの68.60±11.22cm に減少したが、いずれも有意な差は認められなかった。重心動揺外周面積は、開眼時についてはPreの2.75±0.85cm²からFTが2.49±0.69cm²となり、わずかに値が減少した。閉眼時はPreの2.82±1.79cm²からFTでは3.91±0.89cm²となり、値が増加したが、いずれも有意な差は認められなかった。座位バランス持続時間については、Preの13.00±8.36秒からFTの26.00±19.30秒に値が増加した。座位バランス腰部移動距離は、Preの8.18±7.73cm からFTの7.33±8.67cm に値がわずかに減少したが、いずれも有意な差は認められなかった。立位姿勢BEDでは、Preの12.95±2.17cm からFTの12.44±2.19cm に値が減少し、有意な差が認められた(p<0.05)。

表2 大型ボールトレーニングの即時効果

 本研究においては、分析対象とした被験者が5名であり、値に個人差が見られたため、体重配分差、重心動揺の軌跡長及び外周面積では有意な差は認められなかったものの3名が減少傾向を示した。扇谷ら(2008)はボールトレーニングによって重心位置の改善が体重配分の左右差の減少に影響したことを述べている。本研究においてはボールトレーニングの即時的な効果において同様の傾向であった被験者が見られた。ボール座位上でバランスをとる動作を実施することにより重心位置をコントロールする感覚を即時的に体得できるようになっていることが推察された。
 立位姿勢のBEDについては、PreとFTの間で有意な差が認められ、立位姿勢の頭部前出と円背が軽減する傾向が見られた。長谷川ら(2006)は児童を対象とした先行研究で、ボール座位バウンド運動が即時的であるが円背傾向を改善する効果が認められたことを報告している。また、円背傾向の是正の要因として、ボールの弾性を生かしてバウンド運動を行うことで、バウンドのタイミングに合わせて腹筋や背筋を断続的に緊張させることが求められ、その感覚がバウンド後にも姿勢に影響を与え、結果として背すじが伸びた座位姿勢を引き出したと考察している。 これと同様に、本研究においてもトレーニング種目内にバウンド運動が取り入れられていたことで姿勢を保持する筋群に影響を与え、立位姿勢においても改善の即時的効果が見られたことが推察された。

2.一定期間のトレーニング効果について
 
表3は大型ボールトレーニングの一定期間の効果について示したものである。 体重配分の左右差については、Preの4.06±2.79kgからPostの4.20±2.21kgに、値はわずかではあるが増加する結果となった。重心動揺軌跡長の開眼時ではPreの57.40±10.68cm からPostの62.70±11.10cm に、閉眼時はPreの69.60±9.76cm からPostの77.42±20.21cm にそれぞれ値が増加した。重心動揺外周面積の開眼時はPreの2.75±0.85cm²からPostの3.25±1.45cm²に、閉眼時はPreの2.82±1.79cm²からPostの4.56±2.51cm²にそれぞれ値が増加する結果となった。座位バランス持続時間については、Preの13.00±8.36秒からPostの39.80±20.30秒に値が増加したが、有意な差は認められなかった。座位バランス腰部移動距離は、Preの8.18±7.73cm からPostの6.76±3.78cm に値が減少し、有意な差が認められた(p<0.05)。立位姿勢BEDは、Preの12.95±2.17cm からPostの11.12±2.30cm に値が減少し、有意な差が認められた(p<0.01)。

表3 大型ボールトレーニングの一定期間の効果


 大型ボール一定期間のトレーニングにおいて、立位姿勢BEDの値はPreとPost間で有意に減少し、扇谷ら(2008)の先行研究と同様の結果を示した。扇谷ら(2008)は12回の大型ボールトレーニングにおいて円背傾向の姿勢が背筋の伸びた姿勢へと改善したことを報告している が、本研究においても10回の大型ボールの運動により円背傾向を改善する効果があったことが示された。大型ボールのバウンド運動は、バウンドのタイミングに応じて姿勢を保持する筋群を緊張させ上体を真っ直ぐにさせることが求められる。トレーニングを通じてバウンド運動を繰り返し実施することによって上体を真っ直ぐにする身体感覚を体得したことが、立位姿勢時の円背傾向を改善するような姿勢保持につながったと推察された。
 座位バランス持続時間は分析対象とした被験者が5名であり、値に個人差が見られたため、有意な差が認められなかったものの持続時間の平均値は 13秒から26秒へと倍増した。座位バランスの腰部移動距離は 減少傾向が認められた。これらのことから大型ボールのトレーニングを実施したことにより、実施者はトレーニング開始前と比べて、不安定なボール上で腰部を固定しながらバランス姿勢を保持する動作を習得したことが推察された。
 一方、体重配分差、重心動揺総軌跡長、重心動揺外周面積は、値が増加する結果が認められた。扇谷ら(2008)は12回のトレーニングによって重心位置に改善傾向が見られ、体重配分差の値が減少したことを報告している。また中谷ら(2001)の研究では大型ボールのトレーニング前後での重心動揺距離及び面積を測定した結果、有意に減少したことが報告している。本研究では、中谷ら(2001)の研究と同様の結果が認められなかった。要因としては測定方法や手順の違いと今回実施したトレーニングがバランス運動の他にバウンド運動が含まれ、複合的な内容であったことなどが考えられる。また、板谷ら(2011)は大型ボールのエクササイズが下肢体性感覚入力に対する依存性を減少させることを示唆している。立位姿勢の保持には足底部が重要な役割を果たしているが、大型ボールの運動は不安定なボールの上を主に体幹部で姿勢保持することから安定した支持面での立位時の平衡性機能についての影響性は低いことも考えられる。今後、結果については 吟味し、平衡性機能の効果を再度検証していくことが求められる。

3.トレーニング効果の持続性について
 測定値に有意な差が認められた立位姿勢BEDと座位バランスの腰部移動距離、個人差があり有意な差は認められなかったが値に大きな変化が認められたボール座位バランス持続時間との3項目についてトレーニングの効果の持続性について検討した。その結果、立位姿勢BEDではATの値が11.47±3.11cm となり、PreとPost間(p<0.01)、PreとAT間は有意に減少し(p<0.05)、PostとAT間ではほぼ維持する値が示された(図6)。また、ボール座位バランス持続時間についてはATの値は38.80±17.90秒となり、Postの値をATではほぼ維持し、PreとAT間において有意に増加する結果となった (p<0.05)(図7)。座位バランスの腰部移動距離においてはATの値が6.56±3.10cm となり有意に減少する結果が示された(p<0.05)(図8)。
 これらの結果から、立位での姿勢保持や座位バランス運動の習得においてはその効果の持続が推察された。


図6 立位姿勢BEDのトレーニング期間前後の変化


図7 ボール座位バランス持続時間のトレーニング期間前後の変化


図8 座位バランス腰部移動距離のトレーニング期間前後の変化

X.まとめ

 本研究では、女子大学生を対象に大型ボールを使用した運動を実施し、立位及びボール座位上での平衡性機能と立位での姿勢保持に着目したトレーニングの即時的効果、一定期間の効果、そしてトレーニング効果の持続性について検証を行うことを目的とした。その結果、次のような知見が得られた。

1.大型ボールトレーニングの即時的効果は、立位姿勢BEDにおいて認められ、即時的な円背傾向の改善が見られた。

2.大型ボールの一定期間のトレーニング効果は、立位姿勢BEDにおいて認められ、即時的効果と同様に円背傾向の改善が見られた。また、有意差は認められなかったもののボール座位バランス運動においての持続時間が増加し、腰部移動距離の減少が見られ、実施者が不安定なボール上で腰部を固定しながらバランス姿勢を保持する動作を習得したことが推察された。

3.大型ボールトレーニング効果の持続性については、立位姿勢BED、ボール座位バランス運動持続時間、腰部移動距離において認められ、立位での姿勢保持や座位バランス運動の習得においてはトレーニング効果が持続されることが推察された。

 本研究から、大型ボール運動経験10回未満の女子大学生が1回15分程度のトレーニングを10回実施することにより立位の姿勢保持とボール座位バランス運動の技術習得についての効果が示された。またこれらの効果は、トレーニング後も持続される傾向が見られたため、本研究で実施した大型ボールのトレーニング内容及び所要時間や実施回数は運動効果や技術習得の観点から妥当であったのではないかと考える。運動継続に向けて、運動実施による身体的効果が上がり、運動技術の習得が見られる内容は実施者の動機づけを高めると思われることから、女子大学生を対象とした大型ボールの運動についての指導実践における一つの知見として役立つものと思われる。
 今後は研究方法、トレーニング種目の運動内容について検討を重ね、姿勢保持、平衡性機能の身体的効果についてもさらに継続研究を進めていきたい。

Y 謝辞

 本研究におきまして大型ボールトレーニング実施、測定にご協力いただきました学生の皆様やご指導ご協力いただきました皆様に深く感謝申し上げます。

Z 参考引用文献

1)Colleen Craig(2001),Pilates on the Ball. Healing Arts Press
2)社団法人日本フィットネス産業協会(2004),フィットネス産業基礎データ2004, http://www.fitnessclub.jp/business/date/structure.html(accessed 2012,May.23)
3)長谷川聖修,阿部良仁,中尾和子,岩間徹(2006),Gボール指導マニュアル.日本Gボール協会
4)長谷川聖修,本谷聡,池田陽介,鞠子佳香,柳下浩一朗,板谷厚,檜皮貴子(2006),Gボールを用いた児童の姿勢つくりの試み−座位バウンド運動による即時的効果に着目して−.スポーツコーチング研究,第5巻第1号:13-21
5)長谷川聖修,大塚隆,川端昭夫(1994),姿勢教育に関する方法論的一考察−Sitzballにおける座位姿勢の効果に着目して−.筑波大学運動学研究,10:81-86
6)板谷厚,木塚朝博(2011),不安定面上でのバランスエクササイズが姿勢制御における感覚依存性に及ぼす即時効果.コーチング学研究,第25巻第1号:33-42
7)金子嘉徳,鞠子佳香,長谷川千里(2009),健康づくり推進のための運動用具開発に関する研究-食育での活用を意識したオリジナル体操の開発-.体操研究,No.6:10-18
8)川口優子,倉山太一,影原彰人,須賀晴彦(2010),骨盤運動への徒手的介入が脳卒中片麻痺患者の座位バランスに及ぼす即時効果−Wiiボードを重心動揺計として用いて−.第45回日本理学療法学術大会
9)厚生労働省HP,健康日本21評価作業チーム,「健康日本21」最終評価.
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001r5gc.html(accessed 2012,Jan.16)
10)本谷聡,春山国広,長谷川聖修,梅原俊子,藤瀬佳香(2000),大きいボール(ギムニクボール)を使った体操の効果に関する研究−姿勢教育に着目して− .第49回日本体育学会
11)中谷敏昭,灘本雅一,森井博之(2001),身体動揺に及ぼすバランスボール・トレーニングの効果.体力科学,50:643-646
12)奥住秀之,古名丈人,西澤哲,杉浦美穂(2000),地域在住高齢者における身体動揺量と活動能力との関連.Equilibrium Res ,59:130-135
13)扇谷公貴,田中重陽,熊川大介,角田直也(2008),Gボールトレーニングが身体機能に与える影響.東京体育学研究2008年度報告,日本体育学会東京支部:45-49
14)豊田あづさ,赤石国明,杉田欣也(2009),ボールプログラム,AFC PRESS,VOL.26.エアロビック・フィットネス協議会
15)漆畑俊哉,衣笠隆,相馬優樹,三好寛和,長谷川聖修(2010),女性前期高齢者のバランス能力を改善させる運動介入:無作為比較試験.体力科学,59:97-106