大型ボールの新しい利用方法の開発
〜高齢者も安全に活用できるダイナミックボール〜

Development of new usage of a large ball
- dynamic ball,safe for the elderly -

大竹 佑佳(女子栄養大学)
金子 嘉徳(女子栄養大学)
鞠子 佳香(女子栄養大学)
長谷川 千里(東京女子体育大学)

Yuka Otake (Kagawa Nutrition University)
Yoshinori Kaneko (Kagawa Nutrition University)
Yoshika Mariko (Kagawa Nutrition University)
Chisato Hasegawa (Tokyo Women's College of Physical Education)

[Abstract]

 Nowadays, health enhancement of the elderly has become a more and more important issue, and it is required to develop a method of exercise which is both safe and pleasant.
 A large ball is popular as a tool for exercise, but due to its characteristics of the need for keeping balance, bouncing and rolling, some difficulties are encountered in applying it to group exercise in an exercise class for the elderly who have difficulty in keeping balance from the view point of assuring safety. We therefore developed a method of using a large ball for exercise which can be safely carried out in a group of elderly persons. It is “dynamic ball” which uses a tire and a large ball stacked together in two tier. We actually carried out an inquiry survey in cooperation with 50 middle-aged and elderly persons who participate in an exercise class at J university, who experienced the exercise. In the cohort under 74 years of age, 95% (39) of persons answered that the dynamic ball exercise was very pleasant or pleasant. In the cohort above 75 years of age 100% (9) of persons answered in the same way.
 They also answered that the exercise was very safe, or safe for the elderly.

Keywords : the elderly, health enhancement, large ball, application to a group exercise


I .序論

 総務省統計局(2016)によれば,我が国は平成27(2015)年に65歳以上の高齢者人口が3,384万人となり,総人口に占める割合が26.7%という超高齢社会を迎えている。さらに2025年には団塊の世代が75歳以上となり,高齢化は今後さらに進むことが予想されている。このような中で,高齢になってからも介護の必要がなく自立した生活を送ることのできる健康寿命の延伸への取り組みがますます重要な課題となっている。それに伴い,今日,高齢者向けの健康づくり運動教室が増加し,様々な運動プログラムが提案されてきている。
 一方,大型ボールは,Gボール,バランスボール,エクササイズボールなどの名称で広く親しまれている運動用具である。バランス能力を高める運動のほかに,ストレッチや筋力トレーニングにも活用されているほか,近年では姿勢の改善効果にも注目され,学校や家庭で椅子の代わりに利用される例もみられる。運動方法や運動効果については,池田・長谷川(2010),深瀬・本谷(2001)らの報告がある。このように大型ボールは,今日,多くの運動教室やフィットネスクラブ,学校,家庭での健康づくりに活用され,幼児の運動から高齢者の機能改善まで様々な世代に広がっている。この大型ボールの運動の大きな魅力は,上に座ってバランスをとったり,弾んだり,転がったりすることができるという特徴にある。しかしこのボールとしての特徴が,バランス能力が低下しつつある高齢者にとっては短所になり,転倒のリスクにつながることも考えられる。ボールの空気圧をゆるめる,床にマットを敷くなどの配慮や,補助者が近くで待機しサポートすることでリスクを軽減できるが,集団で運動する場合はスタッフの人数が限られているため,十分な安全確保に難しさも感じる。また,一般的に大型ボールの運動は一人一つずつ使用することが多いが,運動教室のような集団で利用したい場合は,予算が十分でないと大型ボールを人数分そろえることが難しく,全員が同時に運動する場合には広い場所も必要となる。これらの問題に対しても,一つのボールを複数の運動者で利用するような運動方法を取り入れることで,大型ボールの利用の可能性が広がるのではないかと考える。
 そこで筆者らは,高齢者でも集団で安全に運動できる大型ボールの利用方法として,大型ボールとタイヤを二段重ねにし固定して運動を行う「ダイナミックボール」の開発を試みた。
 

II .目的

 本研究では,高齢者でも安全で楽しく体を動かすことのできる新しい大型ボールの利用方法として開発した「ダイナミックボール」と,その活用方法である「ダイナミック・ムーブメント」について報告するとともに,実際に運動教室で体験した中高年者へのアンケート調査よりその有用性について検討することを目的とした。

III .方法

1.「ダイナミックボール」と「ダイナミック・ムーブメント」の開発

(1)大型ボールとタイヤを2段重ねにした「ダイナミックボール」の開発
 大型ボールの転がるという特性が高齢者の転倒のリスクにつながりやすいと考え,大型ボールを固定して使用することを考えた。そこで,大型ボール(75cm)をタイヤに重ねることで固定することにした。タイヤの穴に大型ボールがしっかりとはまり,タイヤの重みで安定した状態で設置できる。さらに写真1のように2段重ねにし,これを両手で持った太鼓のバチでたたく運動とすることにした。
 これまでにも大型ボールをバチでたたくという大型ボールを太鼓に見立てた使い方は見られなかったわけではないが,2段重ねにしたものは見られない。2段に重ねたことについては,1段では下を向いた姿勢でボールをたたくことになるが,2段重ねにすることで上のボールが胸の高さとなり,安定した立位姿勢で目の前のボールをたたくことができるようになると考えたからである。また上下のボールを交互にたたくことで,体全体を使う立体的な運動をさせることが可能である。この大型ボールとタイヤを2段に重ねたものを「ダイナミックボール」と名付けた。


写真1 考案した「ダイナミックボール」

(2)「ダイナミックボール」を使った「ダイナミック・ムーブメント」の開発
 この「ダイナミックボール」を使ってダイナミックに体を動かす運動方法「ダイナミック・ムーブメント」を考案した。高齢者が安全に実施できる運動を中心に,やや負荷のきつい運動や巧緻性の運動のバリエーションも考えた。
 a)〈基本形〉(表1-1)
 「ダイナミックボール」の前に安定した姿勢で立ち,上のボールをバチでたたく運動を〈基本形〉とした。
 b)〈展開1〉(表1-1)
 「ダイナミックボール」1つを使った立位姿勢の運動である。「腕回したたき」「ウエイブたたき」はその場で静止して行い,〈基本形〉に近く負荷の軽い運動である。「回転たたき」は「ダイナミックボール」のまわりを回る移動の運動が入り,さらに「ホップたたき」「しゃがみ立ちたたき」は腿上げやしゃがむ姿勢が入るので,運動者の様子を見ながら負荷を調節する。「片足上げクロスたたき」は片足を大きく上げる不安定な体勢になるため後期高齢者には難しいが,足腰のしっかりした前期高齢者や中年者以下向けの運動バリエーションとして考えた。

表1-1 ダイナミック・ムーブメント<基本形>と<展開1>:ダイナミックボール1個使用

 c)〈展開2〉(表1-2)
 「ダイナミックボール」2つを使った立位姿勢の運動である。「クロスたたき」「交互たたき」「前後たたき」「サイドバチたたき」「交互バチたたき」は,2つの「ダイナミックボール」の間に立って行う。「8の字たたき」は2つの「ダイナミックボール」の間の移動運動が入り,「ボール移動」はボールをバチで持ち上げ移動し弾ませる巧緻性も必要な運動であるので,運動者の様子を見ながら行う。

表1-2 ダイナミック・ムーブメント<展開2>立位:ダイナミックボール2個使用

 d)〈展開3〉(表1-3)
 「ダイナミックボール」1つを使った座位姿勢の運動で,ボールに座って弾む,バランスをとるといった大型ボールの特長を生かした運動である。「座位はずみたたき」「座位からのジャンプたたき」はボールの上で軽く弾む,立ち上がるなど不安定な姿勢になるので,高齢者が行う時には注意が必要である。「座位バランス」「座りたたき」は,ボールの上でバランスをとる運動なので,中年者向けの運動バリエーションである。

表1-3 ダイナミック・ムーブメント<展開3>座位

 e)〈展開4〉(表1-4)
 「ダイナミックボール」1つを使った巧緻性の運動である。「真上投げキャッチ」については,放り上げたバチを取ろうとして足元が不安定にならないように気をつける。

表1-4 ダイナミック・ムーブメント<展開4>巧緻性

(3)配置の工夫
 「ダイナミックボール」の配置について図1に示す。〈基本形〉は,1つを1名または両側から2名でたたく。〈展開形〉は,〈基本形〉のまわりに正三角形に3つ配置するもので,集団で使用するときはこのように配置することで運動できる人数を増やすことができる。指導者は中央の赤いボールの位置で運動することで手本を示しやすい。また,移動の動きを加えることができるため,運動を複雑にすることが可能である。


図1 ダイナミックボール(重ね大型ボール)の配置

(4)認知症予防トレーニングとしての要素を含む活用法
 楽しみながら認知症予防トレーニングにもなるような運動として,「連想ゲーム」「数字ゲーム」を考案した。2〜4名で競い合うことでさらにゲーム性を増すことができる。
 a)連想ゲーム
 大型ボールのカラフルな色に着目し,指導者が「メロン」「ピーマン」など緑を連想するものを言ったときは緑のボール,「トマト」「人参」のような赤を連想する時は赤のボールをたたく。
 b)番号ゲーム(写真2)
 ボールに番号をつけておき,ランダムに指示される番号に素早く反応して,同じ番号のボールをたたく。また,指示された番号の組み合わせ(例えば「1,2,1,3」,「4,1,2,3」など)を決められた回数たたく。慣れてきたらボールの色と番号を混合させて行う。


写真2 高齢者を対象とした運動教室での実践

2.中高年者への運動指導とアンケート調査

 平成28年7月2日,埼玉県S市J大学の地域の中高年者を対象とした運動教室で「ダイナミックボール」の運動を実際に指導し,体験した50名(男性6名・女性44名)に6問からなるアンケート調査票(記名式)に回答してもらった(回収率100%)。当日実施した運動内容は,3名程度のグループで「ダイナミック・ムーブメント」(表1-1~1-4)の高齢者欄に〇印のついている運動の中から5種目程度(各運動は動作を4回程度繰り返した。)と「番号ゲーム」をあわせて約5分間実施した。
 対象者を中年者・前期高齢者の74歳以下群41名(男性4名・女性37名)と後期高齢者の75歳以上群9名(男性2名・女性7名)の2群に分け,「ダイナミックボール運動と普段の体の動きの比較」「ダイナミックボール運動の楽しさ」「ダイナミックボール運動の高齢者の安全性」「ダイナミックボール運動の再体験の希望」についてはクロス集計を行い、その後χ2検定を実施した。統計的有意水準はp<0.05に設定した。統計解析には,Excel 2010(Microsoft)とSPSS Ver.23(IBM)を用いた。倫理的配慮については,アンケート前に対象者に説明し同意を得たうえで調査を実施した。

IV .結果

「ダイナミックボール」の運動体験後のアンケート調査

(1)対象者の平均年齢

 74歳以下群の平均年齢は,男性69.3±2.1歳,女性68.7±3.8歳で,全体では68.7±3.6歳であった。75歳以上群は,男性80.5±5.0歳,女性78.0±2.4歳で,全体では78.6±3.0歳であった。

(2)2群による比較
 「ダイナミックボール」による運動は,日常生活より身体を大きく動かすことができたかについては,74歳以下群では95%(39名),75歳以上群では100%(9名)が「大きく動かすことができた」または「やや大きく動かすことができた」と回答し(図2),年齢群による有意な差は見られなかった(χ2=1.37,df=3,p=0.71)。
 「ダイナミックボール」を楽しく行えたかについては,74歳以下群では95%(39名),75歳以上群では100%(9名)が「とても楽しかった」または「楽しかった」と回答し(図3),年齢群による有意な差は見られなかった(χ2=2.07,df=2,p=0.36)。

 

 「ダイナミックボール」の運動を高齢者が実施する場合の安全性については,74歳以下群では95%(39名),75歳以上群では100%(9名)が「とても安全だと思う」または「安全だと思う」と回答し(図4),年齢群による有意な差は見られなかった(χ2=0.54,df=2,p=0.76)。
 「ダイナミックボール」の運動を再体験したいかどうかでは,74歳以下群では93%(38名),75歳以上群では100%(9名)が「是非,再体験したい」または「再体験したい」と回答し(図5),年齢群による有意な差は見られなかった(χ2=3.08,df=2,p=0.21)。

 

(3)「ダイナミックボール」による運動効果
 「ダイナミックボール」の運動でどのような運動効果が期待できるかを複数回答で尋ねたところ,「認知症予防トレーニング(脳トレ)」33名(66%)が最も多く,ついで「気分転換」「筋力アップ」「転倒予防」が多かった(図6)。

(4)「ダイナミックボール」体験後の感想

 感想を自由に記述してもらったところ,「頭と体を使いとても楽しかった」(72歳女性),「これからもぜひやりたい」(70歳女性),「なかなか難しかった」(67歳女性),「機敏に動けてとても良い」(70歳女性),「瞬発力や判断力がつきそう」(72歳女性),「太ももが弱いのでスクワットすすめられているが,なかなかできなかったが,楽しみながらできとても良い」(62歳女性),「バランスをとる,脳を使う,動きが敏速になるので,筋力,転倒にも良いと思う」(63歳女性),「頭の運動にとても良い」(65歳女性),「脳トレに一番」(76歳女性),「リズム感が良くなる」(73歳女性)などの意見があった。

V .考察

1.「ダイナミックボール」の運動の特徴
 高齢者にも安全に楽しく集団で使用できる大型ボールの運動として開発した「ダイナミックボール」の特徴を以下に述べる。
 「ダイナミックボール」は,大型ボールとタイヤを重ねて固定したことで高齢者の転倒の危険を下げるとともに,ボールが移動しないので身体の動きが定まり,より的確な運動が可能となる。特に高齢者の運動では,安定した姿勢で安心して運動できることが重要であると考える。また,2段重ねにしたことで高さが生まれ,空間を移動する運動が可能となり,動きのバリエーションが多様に考えられる。
 「ダイナミックボール」の大型ボールをたたくという運動は,山本ら(1995)が明らかにしている太鼓をたたくことによる心拍数の上昇と同様の効果が期待される。また,たたく運動は主に上肢を使い,上腕二頭筋,上腕三頭筋の運動にもなる。さらに「ダイナミック・ムーブメント」の中で示した通り,「ダイナミックボール」の周りを回って,配置の〈展開形〉で示したような正三角形に配置して位置移動を行うことで脚部の運動も可能である。
 松本ら(2013)の研究では,高齢者のエクササイズ時に生演奏の音楽を使用すると視聴覚両面が刺激され認知機能の維持・増進に影響を与える可能性が示されている。「ダイナミック・ムーブメント」ではCD音楽を使っているが,音楽に合わせて高齢者自身がボールをたたいて音を出しており,聴覚だけでない刺激が同様に認知機能の維持・向上に貢献する可能性があるのではないかと推察する。また,同じボールを一緒にたたく,隣同士でボールをたたき合う運動を行うため,運動者同士のリズム感の共有や一体感も生まれやすいのではないかと考える。このことがコミュニケーションのきっかけとなることも期待できる。
 野内ら(2014)は,高齢期になっても日常生活の中で認知トレーニングや脳トレゲームを実施することで認知機能の維持・向上の可能性があると述べている。「ダイナミックボール」を使った「連想ゲーム」や「番号ゲーム」では,指示された言葉から素早く色を連想したり,指示された複数の数字を覚えたりするなど記憶したり素早く判断してボールをたたくという身体だけでなく頭も使う工夫をした。レクリエーション的な要素が強いので運動者同士の会話の機会も増え,コミュニケーションの活性化にもつながることが期待される。

2.「ダイナミックボール」運動の体験後のアンケート調査結果による検証
 74歳以下群と75歳以上群の回答の傾向は変わらなかった。特に今回の課題の一つであった安全性についての「高齢者が実施する場合の安全性について」の質問に対して,後期高齢者である75歳以上群でも「あまり安全でない」と回答した者はいなかった。「ダイナミックボール」が固定された運動用具であることと,2段重ねで胸までの高さをだしたことで日常生活と同じような生活動作のままいろいろな動きを体験することができたためと推察され,「ダイナミックボール」が高齢者においても安全に利用できることの示唆が得られた。
 ほとんど全員が日常生活よりも大きく身体を動かすことができたと回答しており,ボールを太鼓のようにたたくことで運動者の気持ちに高揚感が生まれ,自然に大きく身体を動かすことができたのではないかと推察する。また安定した姿勢で運動できたことも安心して身体を大きく動かすことにつながったのではないかと考える。
 楽しさや再体験の希望に対しても,ほとんど全員が楽しかった,再体験を希望すると回答しており,「ダイナミックボール」の運動が高齢者にとって楽しい運動体験となり継続につながる可能性があることが示唆された。
 対象者には「ダイナミック・ムーブメント」と「番号ゲーム」を実施したが,体験後「ダイナミックボール」の運動効果として「気分転換」「筋力アップ」「転倒予防」よりも「脳トレ(認知症予防)」をあげる者の割合が高く,体験後の感想でも「頭の運動になった」「脳トレによい」「判断力がつく」のような意見が見られた。「ダイナミックボール」が高齢者の身体の運動だけではなく,認知症予防トレーニングとしても活用できる可能性が示された。

VI.結論

 大型ボールの運動を高齢者対象の運動教室でも安全に楽しく行うことができる新しい利用方法として,大型ボールとタイヤを2段重ねにした「ダイナミックボール」の運動を開発した。特徴は@ボールをタイヤによって固定したこと,A二段重ねにしたことで立位の姿勢で運動ができること,Bボールをバチでたたく太鼓の運動であること,C運動のやり方に認知症予防トレーニングの要素を入れることができることである。
 実際に体験したJ大学の運動教室に参加している中高年者50名によるアンケート調査結果は以下の通りであった。

@74歳以下群の95%,75歳以上群では100%が,「ダイナミックボール」の運動は日常生活よりも「大きく」または「やや大きく」身体を動かすことができたと回答した。
A74歳以下群の95%,75歳以上群では100%が「とても楽しかった」または「楽しかった」と回答した。
B74歳以下群の95%,75歳以上群では100%が,高齢者が実施する場合「とても安全だと思う」または「安全だと思う」と回答した。
C74歳以下群の93%,75歳以上群では100%が「是非,再体験したい」または「再体験したい」と回答した。
D全体の66%が「脳トレ(認知症予防トレーニング)」になると回答した。

 以上の結果より,「ダイナミックボール」の運動は,高齢者が楽しく安全に行うことができる運動であることが示唆された。
 今後は,高齢者だけでなく子供から大人,障害者までの多世代が,安全で楽しく運動できる運動方法といえるかどうかを,運動強度についての科学的評価や多世代への介入研究による運動効果の検証等によって検討していきたい。また今回可能性が示された「ダイナミックボール」の認知症予防トレーニングとしての活用についてもさらに検証を行いたいと考えている。このような検証を行うと同時に,「ダイナミックボール」を活用したさらなる運動バリエーションの考案を試みながら,多世代に向けた健康づくりとして普及していきたい。

VII.引用文献

1)深瀬吉邦,本谷聡(2001),おとなのためのGボール運動遊び.ギムニク
2)池田延行,長谷川聖修(2010),乗って,弾んで,転がって!ちゃれんGボール―楽しく・なかよく・動きの基礎を身につける体育の授業―,明治図書出版
3)鞠子佳香,金子嘉徳,長谷川千里(2013),大型ボールを使用した運動の心理的効果に関する研究―二次元気分尺度測定による運動前後の気分変化に着目して―.体操研究,第10巻:1-8
4)鞠子佳香,金子嘉徳,長谷川千里(2012),大型ボールの身体的効果に関する研究―平衡性機能と姿勢保持のトレーニング効果に着目して―.体操研究,第9巻:9-17
5)松本裕樹,木場田昌宜,本山貢(2013),高齢者向けエクササイズにおける音楽演奏形態の違いによる認知症予防効果の比較―生演奏とCD再生演奏を比較して―.和歌山大学教育学部紀要,人文科学第63集:93-99
6)野内類,川島隆太(2014),脳トレゲームは認知機能を向上させることができるのか?.高次脳機能研究,第34巻第3号:63-69
7)総務省統計局,統計局トピックスNo.90統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)―「敬老の日」にちなんで―http://www.stat.go.jp/data/topics/topi901.htm(最終検査日2016/07/03)
8)山本博男,中神尚人,東章弘他(1995),和太鼓演奏における運動強度の基礎的実験研究.金沢大学教育学部紀要(自然科学編),第44号:11-15