会長挨拶

 日本体操学会は、日本体育学会・体育方法専門分科会(現在の日本体育・スポーツ・健康学会コーチング学専門領域)の下部組織であった「体操研究会」の20年間に渡る活動を母体として、2001(平成13)年に設立されました。会則には、「動いて学ぶ会」「Japan Society of Gymnastics for All」と記されています。
 本学会は、体操(Gymnastics for All)について「動いて学ぶ 学んで動く」ことを趣旨とします。つまり、学術的研究と実践は遊離するのではなく、実践と結びついた研究と、研究的視点を持った実践活動の両者を推し進めるべく、理論と実践が一体となった学会を目指しています。したがって、学会大会では講演やシンポジウム、研究発表だけではなく、ワークショップなどの実践活動の企画もあり、「学んで動く 動いて学ぶ」場が設けられています。
 また、学会活動では学術誌刊行や学会大会開催だけではなく、以下の分科会活動も行われています。
・キッズ分科会:乳幼児や親子を対象とした体操・運動遊びの創作など
・学校体育分科会:学校体育を対象とした体操(体つくり運動)に関する運動プログラムの提案
・中・高齢者分科会:中・高齢者を対象とした体操に関する運動プログラムの提案

 以上の通り、日本体操学会は、乳幼児から高齢者までを対象とした体操(いつでも、どこでも、だれにでもできる運動)に関する学術的研究、及び研究成果を踏まえた運動プログラム提案等を行う学術団体です。その研究成果は、体力の向上や健康の維持・増進だけではなく、幸福感や満足感を含む、心身のバランスや社会とのつながりを大切した人生の質の向上も明らかにしています。つまり本学会は、ウェルビーイング(Well-being)を高めることへの貢献に資するものと考えています。

 新型コロナ禍以降、私たちの生活スタイルは大きく変わりました。価値観は多様化し、共生・協働、社会的スキルが私たちには求められています。さらに、デジタル化・テクノロジーはめざましい勢いで進化し、私たちが体を動かす機会と時間は確実に失われています。
 このような社会だからこそ、体操(Gymnastics for All)の研究と実践が大切ではないかと考えています。

 

日本体操学会 会長 
大塚 隆

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